導入

モクセンナ

モクセンナ  Senna surattensis マメ科*
別表記;Cassia surattensis* スラッテンシス*2, キダチセンナ*3, スクランブルエッグ*4
Mokusennaohmura写真上 モクセンナ花 Senna surattensis

低木木本、日当たりを好み乾燥に強い。黄色い花がまとまって咲くので、英名 scrambled eggs tree*5 がある。
・原産地 東南アジア*6,インド*2を加えるのもある。
・導入 小笠原諸島返還後(1968~)の最近と思われる。1999年導入の記録がある*7。
・導入目的 鑑賞用。
・栽培 父島、母島*8
・野生化 父島市街地に植栽されているが、一部野生化しているようである。
・侵略性 沖縄では野生化*6しており、要注意種である。

Mokusennaohmura2                                       写真中 同花・葉 Senna surattensis

*  米倉浩司・梶田忠(2003-)BG Plants 和名-学名インデックス(YList)
  http://ylist.info (2016年1月16日)
*2 坂崎信之編著(2003)日本で育つ熱帯花木植栽事典2刷
*3 八丈島園芸植物図書編集委員会(2003)八丈島の園芸植物
*4 武田和男(1998)魅力の花園ハワイの花300種ガイド
*5 エヌ・ティ・ティレゾナント(株) みんなの花図鑑
 http://minhana.net/ (2016年1月16日)
*6 初島住彦(1990)琉球植物誌(追加訂正版)訂正増刷
*7 東京都小笠原営農研修所(2001)植物目録
*8 豊田武司(2014)小笠原諸島固有植物ガイド
※ 学名の表示は属,種小名まで。
Mokusennaohmura3                                     写真下 同莢 Senna surattensis

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カンヒザクラ

カンヒザクラ(Cerasus campanulata) バラ科* [寒緋桜],ヒカンザクラ[緋寒桜]*2

Kanhizakura20090223 中国南部、台湾に分布し、琉球に野生化している*2。小笠原諸島には鑑賞用に導入された。時期は太平洋戦争以前の記録が不明で野生化もしていないようなので、小笠原諸島返還後(1968~)であろう。琉球産の小笠原諸島野生化種はリュウキュウマツを始めリュウキュウコクタン、リュウキュウガキなど何種もあり、要観察種であると思われる。

写真上は開花、大神山公園(植栽)[父島]後ろにインド竹が。

Kanhizakura20130325_01 小笠原諸島返還15周年(1983)に東京都小笠原亜熱帯農業センター提供の樹を母島村民会館前庭に記念植樹したが、その年の内に枯れてしまった。又、小笠原高校が現在地に移転後(1988)、正門脇にも植栽されたが、道路を吹き上げる風によるのか萎縮してしまった。潮と風に弱く内陸の風の当たらない場所がよいと分かり、亜熱帯農業センター、大神山公園北下などに植栽されている。台風の潮風が無かった2012-13年はよく開花している。

写真中は葉桜(同上)

Kanhizakura20130325_05

写真中2は実、葉、枝(同上)

Kanhizakura20130325_2


写真下は幹(同上)
花の写真は、歳時記に載せているので、下記のサイトを
http://homepage1.nifty.com/Bonin-Islands/Saijiki.html

* 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名?学名インデックス」(YList),
http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html(2013年3月24日)
*2 堀田満ら編(1989)世界有用植物事典



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ビヨウタコノキ

ビヨウタコノキ(アカタコノキ)(Pandanus utilis) タコノキ科*
Akatako20121204


・マダガスカル原産*。
・小笠原諸島には自生のタコノキ(小笠原諸島固有種)(Pandanus boninensis)*2が1種ある。海岸付近の岩場から山腹に多く何処にでもよくあり、「小笠原村の木」*3でもある。
・ビヨウタコノキは最近、街路樹に使われ姿が美しく実もよく付けるので目立ち、固有種のタコノキと間違って広められている例がある*4,5。葉も姿も美しい「美葉タコノキ」の意*。葉の縁と裏面中筋の赤い刺から「赤タコノキ」の別名があり小笠原諸島では「アカダコ」と呼んでいる。
・戦前鑑賞用に導入されたが*6、返還後も野生化したものが見られたが少数で雌木だけだったのか実生は無かった。近年、雌雄両株が導入され雄花も実生も見られるようになった。今のところタコノキとの競合はみられず侵略性は小さいと思われる。

表 ビヨウタコノキとタコノキの違い

                                                                 
名前ビヨウタコノキタコノキ
太く直立不定
対生が多い不定
支柱根幹下部幹下部・枝基部
幹下部気根スカート状に包む大きい隙間
細く伸び垂れない広く垂れ下がる
葉の刺赤・短・まばら・無痛密・やや長・痛
丸球形丸球~楕円形
果の着方下垂斜めに下がる
果茎長く目立つ短く見えにくい
印象左右対称美奇形

Akatakomi20121204

写真はアカダコの実

* 海洋博覧会記念公園財団編(1997)沖縄の都市緑化植物図鑑
*2 豊田武司編著(2003)小笠原植物図譜増補改訂版
*3 小笠原村(1983)昭和58年告示29、小笠原村の花、木、鳥、魚の指定
*4 日本植物画倶楽部(2004)日本の絶滅危惧植物図譜 =全体像はビヨウタコノキ
*5 日本郵趣協会(2012)世界遺産Ⅲ小笠原の初日カバー=全体像はビヨウタコノキ
*6 豊島恕清(1938)小笠原島の植生並熱帯有用植物に就て 農林省林業試験場

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シマサルスベリ

シマサルスベリ、裸ノ木 Lagerstroemia subcostata ミソハギ科

Simasarusuberi 中国大陸、琉球に分布*。裸ノ木[はだかのき]は樹皮が剥かれたように見える*2ことからの方言。小笠原諸島では数少ない落葉樹の一である。
 1908(明治41)年、台湾から造林目的で導入され*3、材が緻密で堅いことから轆轤細工等に使用、又薪炭材とされた*4。湿った土壌の深い場所を好むようで、母島・「船木山の滝」のものは、以前は細かったが今では高木・巨木になりつつある。父島でも1968年返還後も植栽もされ、野生化しており、侵略性のある外来種で要監視種である。リュウキュウコクタン(ヤエヤマコクタン)と同じく、自生地では絶滅危惧種とされているが*5。
写真上はシマサルスベリの開花

Simasarusuberi3 写真中はシマサルスベリの木肌

Simasarusuberi2 写真下はシマサルスベリの落葉
* 佐竹義輔ら編(1989)日本の野生植物 木本2
*2 日本植物画倶楽部(2004)日本の絶滅危惧植物図譜 アボック社
*3 川手文(1911-15)小笠原陸産物誌植物編
*4 豊島恕清(1938)小笠原島の植生並熱帯有用植物に就て 林業試験報告36
*5 矢原徹一監修(2003)ヤマケイ情報箱レッドデータプランツ

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ソウシジュ

ソウシジュ(相思樹)、ホタルノキ Acacia confusa マメ科*

Sousiju フィリピン原産、常緑の高木。黄色い球状の花が咲き、それを蛍の発光に見立てた別称であろう。
 1902(明治35)年台湾から種子を導入、父島・清瀬苗圃で育苗し野生化を目的とし、母島・沖村、船木山に植栽され*2、弟島にも植栽された*3。土壌の深いやや湿った場所を好み、「父島のコーヒー山、南崎などに天然生の稚樹が発生しはじめている。」*3,4 。躑躅山[つつじやま]東側でも野生化している。元清瀬苗圃(現森林総合研究所試験地)周辺の職員住宅や都道行文線[ぎょうぶんせん]法面に広がり生育しているのが目立つ。侵略性のある外来種で、要監視種である。
* 太刀掛優・中村慎吾編(2007)改訂増補帰化植物便覧
*2 川手文(1911-15)小笠原陸産物誌植物編
*3 豊田武司編著(2003)小笠原植物図譜増補改訂版
*4 豊田武司編著(1981)小笠原植物図譜初版

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モクマオウ

モクマオウ Casuarina stricta
トクサバモクマオウ(トキワギョリュウ)
 Casuarina equisetifolia  島名モクマオウ メリケンマツ、オガサワラマツ モクマオウ科

Mokumaou_2 中木-高木、明治初期・後期にインドから導入、防潮林、用材として小笠原群島各島に植林された*。乾燥に強い本種は乾性低木林・岩場へ侵入し続けている。落葉(枝)の分解が遅く、空間を含んだ層を厚くつくり、他種の発芽が抑制されている。乾性低木林・岩場ではモクマオウ林に置き換わっているところも目立つ。岩場の窪み、割れ目からも発芽し高木となり急崖地の崩落を引き起こしている箇所もある。世界自然遺産候補地区内では、一部伐採が進められているが、集落周辺では対策がとられないので、拡大し続け父島清瀬都営住宅ではモクマオウ林に囲まれている。材は堅くシロアリにはやや食われにくく、耐水性も強く腐りにくいので伐るばかりではなく、護岸用材などに利用もしたほうがよいと思われる。

Mokumaou_dead * 延島冬生(2010)小笠原諸島に侵入している外来植物の現状 植調44-1 (財)日本植物調節剤研究協会
写真上は都営住宅を囲むモクマオウ林
写真下は2006年台風で倒伏枯死したモクマオウ(2010)

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リュウキュウコクタン

Kokutan リュウキュウコクタン(琉球黒檀、ヤエヤマコクタン) Diospyros ferrea var.buxifolia  カキノキ科
 低木ー中木、明治初期・後期に琉球から父島に導入、移出価値のある用材又園芸種として期待され、連珠谷などに植林された*。成長が遅く移出までには至らなかった。常緑で樹形がよいことから最近、公共施設などに移植されている。又神社の榊の代用として、戦前からシャリンバイが使われてきたが、近年はこれが使われている。近年、実がよく生りだし、鳥に種子散布され分布が広がっている。「沖縄では庭木にするため、山採りが盛んで」、絶滅危惧種に指定されている*2。侵略の危険性があるとして一部伐採されたリュウキュウガキ以上に父島で拡大しており、まだ影響は小さいものの侵略性の認識と対策が求められる。
* 延島冬生(2010)小笠原諸島に侵入している外来植物の現状 植調44-1 (財)日本植物調節剤研究協会
*2 矢原徹一監修(2003)レッドデータプランツ 山と渓谷社

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ギンネム

ギンネム(銀合歓、ギンゴウカン) Leucaena leucocephala 島名ギンゴウカイ マメ科

Ginnemu2  矮低木ー中木、幕末・文久年間に江戸から移植されたのが最初で*、明治初期インドから再導入された。露岩、裸地の緑化に種子播種を含め積極的に官により広められた。父島・大神山公園や母島・乳房山登山道入口(乳房橋側)などにサンスベリア(チトセラン)を土留めにして植林された跡が見られる。

写真上はギンネムの蕾、花、莢果

成長が早く細い木が容易に手に入るので、農地の端にも植えられ利用されたようである。陽樹で耐陰性があまりなく、重力散布種子なので、戦前は植栽地以外に広まらなかったが、戦後、放棄された集落、畑、道路に一斉に群落を作った。

Ginnemu父島ウェザーステイションの斜面で明らかなように一旦群落ができると遷移はなかなか進まず、在来種がほとんど侵入できない。父島・母島では復興・振興事業などで返還時程の勢力は無いが、新たな道路整備、農地放棄などで一部復活している。又、葉・枝は野生化したノヤギの餌であり、ノヤギを駆除した聟島列島・媒島などでは勢いを復活し駆除対象とされている。父島・母島では新たな撹乱地に広めない対策が必要。

写真中はギンネムの莢果

Ginnemu3 

写真下はギンネムの植栽跡(下にサンスベリア)父島・大根山

* 延島冬生(2010)小笠原諸島に侵入している外来植物の現状 植調44-1 (財)日本植物調節剤研究協会

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リュウキュウマツ

リュウキュウマツ(琉球松) Pinus luchuensis  島名マツ マツ科

Matu  低ー高木、明治中、後期、大正期と何度も琉球から用材として導入され、裸地への植栽が積極的に官により行われた。「発育が旺盛で、生長の速いことは他の松の及ぶところではない」*本種は当地でもその性質を発揮し、1945年敗戦後無人化した島々で畑や岩石地に広がった。1970年代に松枯れによる一斉枯死が母島・父島で起こり生態系への影響が無いとされたが、グリーンアノール(アノールトカゲ)が松枯れ原因のマツノマダラカミキリをも食害し、その後育ってきたマツが枯死せず繁茂している。枯松はイエシロアリの爆発的拡大の好条件を作ったと思われ、生態系への影響大である。琉球でも「シロアリの害にかかりやすいので建築材として利用されることはまれである」*2という。風散布の本種は乾燥にも台風による塩害・風害にも強いパイオニア種で、横枝張、樹下の被陰、落葉層の形成によりムニンフトモモ等の自生種の衰退があり、地上・土壌生物相にも影響を与えていると思われる。他の侵略的外来種を駆除した跡に侵入して自生種の生育を妨げるので、アカギやモクマオウなどの排除と同時進行する必要がある。沖縄県では「県木」*3とされているが、小笠原諸島では厄介な侵略的外来種である*4。

Matueda 写真はマツの落葉(モクマオウも混ざっている)
* 城間朝教(1977)沖縄の自然 植物誌 新星図書
*2 初島住彦・中島邦雄(1979)琉球の植物 講談社
*3 松田 修(1969)県花県木 保育社
*4 延島冬生(2010)小笠原諸島に侵入している外来植物の現状 植調44-1 (財)日本植物調節剤研究協会

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ビロウ

Birou ビロウ(蒲葵) Livistona chinensis ヤシ科
 父島・村営奥村運動場に都道と奥村川沿いにカギ状に45個体植栽されている(写真上)。昭和末期、小笠原村(小笠原村教育委員会)が八丈島からとりよせたものであり、樹下に種子繁殖もしている。小笠原群島には固有亜種のオガサワラビロウ(Livistona chinensis var.boninensis)(写真下)が自生しており、ビロウとの雑交が心配である。なぜ固有亜種のオガサワラビロウが山野に沢山自生するのに、あえてお金をかけて八丈島からビロウを取り寄せたのであろうか。奥村運動場整備当時は島内での植栽樹供給体制が無く(作らずと言った方が適当か)、オガサワラビロウの株が八丈島にあるという情報で村の職員を材料検査に八丈島まで出張させ、オガサワラビロウと判断し導入したものである。しかし、幹の太さ(ビロウの方が太い)、葉の大きさ(ビロウの方が大きい)、葉柄の長さ・太さ等(ビロウの方が短く、太く、トゲが大きい)など、外見からもビロウとオガサワラビロウの違いは一目瞭然である。こうした誤って近縁の外来種を導入した危険性が認識されず放置されながら、「東洋のガラパゴス」と宣伝し、「世界自然遺産候補地」と名乗っているのは、大変不思議なことである。2_2

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