非意図的導入種

アカバナユウゲショウ

アカバナユウゲショウ Oenothera rosea L'He'r. ex Aiton 別名 ユウゲショウ アカバナ科*
小笠原方言;-

Yugeshof
写真1 アカバナユウゲショウ Oenothera rosea
父島大神山公園、清瀬トンネル入口(信号前)

・多年草、20-60cm高,桃色小花,早朝開花と思われ,夕方・夜間に開花せず,15時過ぎに萎むが半開のまま色変わりせず、翌日も着いている。「開花 未明4-5時、夕方6-8時閉」*2タイプで、「夜咲系」*3ではない。「根は直根。葉は根生葉と茎につく葉からなる。」*4、茎につく葉は小さく細いものが多い。「主根はなく、ひげ根をもつ」*5ではない。群生。図鑑等の記述も一様でなく、マツヨイグサ属の他種かもしれないが、アカバナユウゲショウとする。

Yugeshol
写真2 アカバナユウゲショウ Oenothera rosea 萎んだ花と根生葉 同

・原産地;米大陸原産*6,北アメリカ*5,北米南部原産*7,南アメリカ原産*4,熱帯アメリカ原産*8とある。

・導入時期;日本本土には、明治年間より鑑賞用に栽培されたという*5。小笠原諸島には、近年と思われる。

・導入目的;本土では観賞用*5。小笠原諸島には非意図的導入。

・野生化;関東以西に帰化、沖縄には戦後に帰化*4。小笠原諸島には本土からの工事用資材(砂、砂利)に混じってきた可能性が大きい。同属のコマツヨイグサ(Oenothera laciniata)*9,10と同じ経路と推定される。

・繁殖地;今のところ、父島清瀬トンネル入口(信号前)両側に群生しているのが確認されている、数千個体あるか。ここは都立大神山公園の緑地で、ブラシノキ(Callistemon rigidus?)等が植栽されている。数年前改修工事があった。又、陸揚げされた砂利・砂を運搬するダンプカーからこぼれたものの掃き溜めにもなっている。

・侵略性;同属のヒルザキツキミソウ(Oenothera speciosa)*11が栽培され、かつ父島・扇浦で野生化している。同じく同属のコマツヨイグサが父島、母島の工事用砂置場付近から見つかり、その後、父島では公園、運動場、道路沿い、東平サンクチュアリ付近にもよく見られる。又、南島では、シンクリノイガ(Cenchrus echinatus)*12等の駆除後、コマツヨイグサが爆発的に増えた。その駆除作業に私も従事したが、ロゼットを固まった砂から剥ぐ作業は大変だった。拡散し父島属島にも侵入する前に、見つかった群落を速やかに駆除することが世界自然遺産小笠原諸島の価値を維持するため必要と思われる。

Yugeshoa
写真3 アカバナユウゲショウ Oenothera rosea 純群落  同

* 米倉浩司・梶田忠(2003-)BG Plants 和名-学名インデックス(YList),(2017年4月26日)
 http://ylist.info
*2 植村修二ら編著(2010)日本帰化植物写真図鑑第2巻
*3 横浜植物会編(2003)横浜の植物
*4 竹松哲夫・一前宣正(1993)世界の雑草2-離弁花類-
*5 清水建美編(2003)日本の帰化植物 平凡社
*6 長田武正(1972)日本帰化植物図鑑
*7 初島住彦(1990)琉球植物誌(追加訂正版)訂正増刷
*8 廣田伸七(2013)ミニ山野草図鑑ー離弁花編
*9 コマツヨイグサ改訂: 小笠原諸島の外来植物
  http://boninintroplant.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-c5be.html
*10 「4cm以上の大きな花をつけるものをオオバナコマツヨイグサと呼びます。」
 …(1985)江東区の野草3刷(1984初版)
*11 * ヒルザキツキミソウ: 小笠原諸島の外来植物
    http://boninintroplant.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-590d.html
*12 クリノイガ: 小笠原諸島の外来植物
  http://boninintroplant.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-5a8e.html

Jaribune
写真4  工事用資材(砂、砂利)の陸揚げ 父島二見港
   Unloaded Sand and Gravel  on Futami Harbour in Chichijima

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ムラサキカタバミ

ムラサキカタバミ Oxalis debilis Kunth subsp. corymbosa (DC.) Lourteig. カタバミ科*

Murasakikatabami2
写真1はムラサキカタバミ Oxalis corymbosa 花 父島宮之浜道

小笠原方言;スッパグサ*2,3,4,5、アマイモ*3。
・多年草、開花は2月*6、3-4月*5(写真1-2),12月*7。6-8月地上部は枯れ、9月から発芽する。結実せず株基部の鱗茎で増える。なお、同属のイモカタバミ(O.articulata)、ハナカタバミ(O.bowieana)などは、今のところ確認されていないようだ。
・原産地;南アメリカ*8とするものが多く,ブラジル*9ともある。
・導入時期;明治20年頃*10。
・導入目的;非意図的導入、内地輸入物に付着*10。日本には幕末1860年代に導入*8。
・野生化;「一度之ヲ生スルトキハ容易二絶滅セシムルコト能ハス農園等…甚タシキ害草。其細小ナル鱗莖ハ苗木ノ根二附着シ現今ハ森林中ニモ発見スル二至レリ」*11と、大正期に既に害草と認識され、かつ圃場から森林に拡散していた。又、「輸入二係ル鑑賞植物」*11とあるが島内拡散に「鑑賞」目的があったと思われる。
・繁殖地;父島、母島、弟島*12。聟島*13、媒島*14、北硫黄島*15、西島*16。
・侵略性;鱗茎で増えるので飛地的には広がらないはずだが、抜いた株の鱗茎が残ったり、土の移動と苗木、車、ユンボなどの重機、工事用資材、スコップなどの作業用具、作業靴等に付着し道路沿い,畑、庭、工事現場などに広がっている。母島都道北進線では、道路改修前は北村で見られる程度だった*17が、あちこちに広がり現工事区間の猪熊谷、長浜でも見られる*18。
  環境省要注意外来生物リスト*19掲載の本種は鱗茎が残らないよう上手に駆除する対象である。

Murasakikatabami                                   写真2はムラサキカタバミ Oxalis corymbosa 全体 父島清瀬

* 米倉浩司・梶田忠(2003-)BG Plants 和名-学名インデックス(YList)
  http://ylist.info (2016年9月13日)
*2 川手文(1911-15)小笠原陸産物誌植物編,東京都公文書館蔵
*3 小笠原營林署(1943)小笠原島所生植物利用調査書
*4 ダニエル・ロング、橋本直幸編(2005)小笠原ことばしゃべる辞典,南方新社
*5  NPO小笠原野生生物研究会(2002)小笠原の植物フィールドガイド
*6 長島忠義・和田美保(2009.3.19)小笠原植物誌
 http://www.ogasawara-syokubutusi.com/index.htm 
*7 東京大学総合研究博物館(2011)海洋島植物標本データベース
    標本番号2283
  http://umdb.um.u-tokyo.ac.jp/  (20160914)
*8 竹松哲夫・一前宣正(1993)世界の雑草2-離弁花類-
*9 堀田 満ら編 (1989)世界有用植物事典
*10 川手文(1911-15)小笠原陸産物誌植物編,東京都公文書館蔵
*11 東京府小笠原島庁(1914)小笠原島ノ概況及森林
*12 豊田武司(2014)小笠原諸島固有植物ガイド
*13 清水善和 (1993)小笠原諸島聟島列島の植生 駒沢地理29
*14 山本保々ら(2003)ノヤギ排除直後における聟島・媒島の植物相 小笠原研究28
*15 藤田 卓ら(2004)北硫黄島の植物相 小笠原研究29
*16 環境省自然環境局南関東地区自然保護事務所(2005)参考資料生物種リスト平成16年度         小笠原地域自然再生推進計画調査(その1)業務報告書
*17 (財)国立公園協会(1977)小笠原・母島道路計画にともなう自然環境調査報告書
*18 東京都建設局(2016)第9回 北進線改修事業に係る専門家会議配布資料
*19  要注意外来生物リスト[外来生物法]
   https://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/list/caution.html#pagetop (2016/09/13)


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セイヨウタンポポ

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写真1はセイヨウタンポポ Taraxacum officinale VERA 2009

セイヨウタンポポ Taraxacum officinale Weber ex F.H.Wigg キク科*

別表記;ショクヨウタンポポ*,
       外来種タンポポ種群 Taraxacum officinale agg.*2
小笠原方言;タンポポ。但し、オニタビラコ(Youngia japonica)をタンポポとも呼んでいる。
・日当たりを好み、4月前後に開花、結実後低地では消え、高地では10月頃も開花することがある。
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写真2はセイヨウタンポポ Taraxacum officinale 夜明道路 2015

・原産地;ヨーロッパ*3
・導  入;太平洋戦争(1945)以前の記録は無さそう、小笠原諸島返還(1968)後。
・導入目的;非意図的導入、芝に付いて持ち込まれたと思われる。
・野生化;芝とともに成長開花、芝とその周辺で野生化。夏季の暑さと乾燥により低地では消え、200m~高地では10月頃開花することがある。
・繁殖地;父島*4。場所は桑ノ木山*5、大神山公園(宮之浜道)*6、扇浦*7、奥村、清瀬、国立天文台(VERA)と附近の夜明道路(旭平,夜明平)。
・侵略性;芝の内地から持込自粛により、VERAを最後に持込は抑えられている。それ以前に持込まれた奥村では日陰で繁殖していたが消えたようである。しかし、2015,2016年にVERAと付近の夜明道路で、2016年に大神山公園・小学校前(宮之浜道)、清瀬西バス停附近で5-6月に再確認されている。日本の侵略的外来種ワースト100(Taraxacum spp.)*2である本種の動向は要注意である。

Tanpopo20160410
写真3はセイヨウタンポポ Taraxacum officinale 清瀬 2016

* 米倉浩司・梶田忠(2003-)BG Plants 和名-学名インデックス(YList)
  http://ylist.info (2016年7月24日)
*2 日本生態学会編(2002)外来種ハンドブック
*3 清水建美編(2003)日本の帰化植物
*4 豊田武司(2014)小笠原諸島固有植物ガイド
*5 榎本 敬(1993)小笠原諸島、父島・母島の雑草と帰化植物, 小笠原研究年報16
*6 長島忠義・和田美保(2009.3.19)小笠原植物誌
    http://www.ogasawara-syokubutusi.com/index.htm
*7 環境省自然環境局南関東地区自然保護事務所(2005)参考資料生物種リスト 平成16年度小笠原地域自然再生推進計画調査(その1)業務報告書
Tanpopo20160410_2
写真4はセイヨウタンポポ Taraxacum officinale 清瀬 2016

※ 学名の表示は属,種小名までとしているが、日本に初めに導入されたものは何か、日本各地に広がっているのは何かで混乱しているようであり、二つだけ表記した。

Tanpopo20160421_4
写真5はセイヨウタンポポ Taraxacum officinale 大神山公園・小学校前 2016

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写真6はセイヨウタンポポ Taraxacum officinale VERA 2016

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キンチョウ

キンチョウ Bryophyllum delagoense  ベンケイソウ科*
別表記;Bryophyllum tubiflorum, Kalanchoe tubiflora(Harv.)*, 錦蝶*2,3,4, ツビフロルム*3,4

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                               写真1 キンチョウの稚樹(父島)

 多年生草本、茎から放射状に短い棍棒状で斑入りの葉を出す多肉植物。日当たりのよい場所では藁色の葉が、日が遮られる場所では緑色になる。乾燥に強い(筆者は本種鉢1個体を母島で入手し父島に持参、隣接緑化ブロック端に植え、水をやることなく、草刈で除去される2014年末まで10年間余観察していたが,さほど増えず枯れず生育していた。)。「葉が成熟すると不定芽は落下し根を地中に伸ばして生育し雑草のように増えて始末に困る」*5。
・原産地 マダガスカル南東部*3
・導入 昭和戦前期(1945)以前の記録が無く、群落地は集落を外れた道路法面の岩石を削った急斜面地で太平洋戦争中(1941~1945)、又は小笠原諸島返還後(1968~)資材に紛れて非意図的に導入された可能性がある。
 日本へは園芸植物として渡来、年代不明、宮崎県で逸出*6とある。
・導入目的 非意図的か。
・野生化 太平洋戦争中(1941~1945)又は小笠原諸島返還後(1968~)。
・諸島内分布 父島*7,8。

Kincho2           写真2 キンチョウの落下した不定芽がロックネット内に留まり成長し群落に(父島)

・侵略性 極めて高い。岩石地の荒原植生種(マツバシバAristida boninensis,タチテンノウメOsteomeles schwerinaeなど)を駆逐、岩石荒原群落を消滅させる要素の一であると思われる。小笠原諸島返還後(1968~)、父島の道路法面岩石を削った急斜面地でほそぼそと野生化していた。その後、金属製ロックネットが掛けられ、それが保護する役割を果たし周囲に広がった。近年ロックネットの上に出た先(注)が道路際草刈で切り取られ付近に散布、又は付着した刈払機の使用で他の法面に広まっていると思われる。又、2015年3月にはJA小笠原父島直売所で鉢植が販売されていた。 
 注 *7掲載写真は背後に金属ネットが映っている。

Kincho3_2                              写真3 坂下の別ロックネット内にあるキンチョウ(父島)

* 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名?学名インデックス」(YList),                   http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html(2015年4月15日)
*2 高林成年編(1991)山渓カラー名鑑観葉植物
*3 八丈島園芸植物図書編集委員会編(2003)八丈島の園芸植物
*4 小笠原亜熱帯農業センター(2005)平成15年度試験成績書(付植物目録)
*5 武田和男(1998)魅力の花園ハワイの花300種ガイド
*6 太刀掛優・中村慎吾編(2007)改訂増補帰化植物便覧
*7 豊田武司(2014)小笠原諸島固有植物ガイド
*8 和田美保・和田勉之・長島忠義(2009.3.19)小笠原植物誌
http://www.ogasawara-syokubutusi.com/index.htm
※ 学名の表示は属,種小名まで。
Kincho4                    写真4 同ロックネット内、キンチョウの稚樹集団(父島)












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アイダガヤ

アイダガヤ Bothriochloa glabra  イネ科*,2  別名モンツキガヤ,ナンゴクヒメアブラススキ*3
Aidagaya20121104_

写真1 アイダガヤの花序

 カモノハシガヤ(モンツキガヤ)属の分類は難しく見解が分かれる。「多年草」*,4、赤茶色の花序が目立つ(写真1,2)。分布は「沖縄、宮古、与那国、台湾、南印度、中国、マレーシア」*4。

小笠原諸島で見ているものは「9月半ば頃から勢いよく伸びはじめ」*5、0.4~1m高近くの群落をつくり一面を覆い(写真3)枯れて白化し消える。

日当たりがよければ岩石地、道路間隙にも生えるが、日陰、林内には入ってこない(写真4,5)。「最近、小笠原は父島に入ってきた帰化植物」*5だが、既に1974年に父島で採集されている*。

Aidagaya20121104__

写真2 アイダガヤの花序の穂先

非意図的導入であろう。「大村,奥村,道路沿いに次第に分布を広げ湾岸道路では、すでに境浦」*5(写真6)と急速に拡がり父島中の道路沿いの日の当たる場所を占拠している(写真7)。

母島では静沢で1992年に見つかっており*2、父島に隣接する兄島にも拡がっている。急速な拡大の原因は本種自身の散布だけで無く、道路の草刈作業に使われる機器の他場所での再使用やブロアーによる拡散*6の影響が大。

岩石地では数少ない小笠原諸島の荒原植物種が駆逐されると思われる。

琉球諸島自生種の本種はアカギ*7、ガジュマル*8と同様、気候の似ている小笠原諸島では侵略性が高い。

Aidagaya20121104

写真3 夜明山・自衛隊施設内に群生するアイダガヤ

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写真4 大神山公園の日向の芝生に群生,赤茶色の穂が帯状に見えるアイダガヤ、手前のモモタマナ(Terminalia catappa)の樹下には生えていない。

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写真5 釣浜遊歩道岩石地の枯れたアイダガヤ

Aidagaya20120203

写真6 境浦・濱江橋[ひんこうばし]手前左空地と橋上方の岩石斜面の枯れたアイダガヤ

Aidagaya20131114














写真7 大神山公園脇歩道インターロッキング左右の隙間から生え歩道の端が不明な程のアイダガヤ(昨年は殆ど無かった。)

* 桑原義晴(2008)桑原義晴日本イネ科植物図譜
*2 榎本 敬(1993)小笠原諸島、父島・母島の雑草と帰化植物,小笠原研究年報16
*3 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名?学名インデックス」(YList),
http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html
(2013年11月30日)
*4 初島住彦(1975)琉球植物誌・追加訂正版
*5 和田美保・和田勉之・長島忠義(2009.3.19)小笠原植物誌
 http://www.ogasawara-syokubutusi.com/index.htm
*6 延島冬生(2011)離島での作業についての意見,東京都環境配慮指針への意見集,世界自然遺産バックナンバー14
http://homepage1.nifty.com/Bonin-Islands/SekaiisanBK14.html
*7 延島冬生(2010)アカギ,小笠原諸島の外来植物
http://boninintroplant.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-8430.html
*8 延島冬生(2009)ガジュマル,小笠原諸島の外来植物
http://boninintroplant.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-f431.html

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センニチノゲイトウ

センニチノゲイトウ(Gomphrena celosioides) ヒユ科*

Sennitinogeitou20120930chichi
・ブラジル原産、世界中の熱帯・亜熱帯に広く帰化している一年生草本*。
・小笠原諸島の夏の太陽を反射し、遊歩道の岩場や路傍で暑さを一層感じさせるものであるが、近年はやや目立たなくなったが、間隙雑草にもなっている。草刈りが頻繁になったせいか他の外来種に押されたのかは不明。侵略性は小さいと思われる。
・小笠原諸島・父島への帰化が日本初発見(1970)、新和名センニチノゲイトウとされた*2,3。千日野鶏頭の意。神奈川県で報告されその後採集されておらず*4、三重県で報告されている*5。

写真上は父島

Sennitinogeitou20121110haha写真下は母島

* 清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七編著(2001)日本帰化植物写真図鑑
*2 小林純子(1975)小笠原群島の新帰化植物,植物研究雑誌50-3
*3 太刀掛優・中村慎吾編(2007)改訂増補帰化植物便覧
*4 神奈川県植物誌調査会編(2001)神奈川県植物誌2001
*5 太田久次(2010)新版三重県帰化植物誌



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シンテッポウユリ

シンテッポウユリ Lilium × formolongo ユリ科*

20090716teppouyuri・タカサゴユリとするもの*2,3もあるが、太刀掛*4は詳しく説明しタカサゴユリ説を退けている。
・テッポウユリは4月下旬~6月上旬に開花、一方本種はここ数年異常開花が見られるものの、7-8月の暑い時季に開花している。道路沿いに点在する。
・小笠原諸島への導入はここ10数年位ではないかと思われる。鑑賞用に島民が導入し栽培逸出したのか、芝・植木類に付着した非意図的導入か不明。参考に神奈川県三浦半島北部で最近目につく帰化植物の第一に挙げられている*5。
・父島では急速に広がっており道路沿いに目立つことから、行政による道路草刈り業務が拡散を促進している可能性がある。要監視外来種の一。

写真上はシンテッポウユリ花・葉(父島・宮之浜)

20090716sinteppouyuri

写真下は同全景(同),

テッポウユリと比較して下さい。


* 神奈川県植物誌調査会編(2001)神奈川県植物誌2001
*2 清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七編著(2001)日本帰化植物写真図鑑
*3 清水建美編著(2003)日本の帰化植物
*4 太刀掛優・中村慎吾編(2007)改訂増補帰化植物便覧
*5 金子 昇(2010)三浦丘陵・円海山から大楠山まで神奈川県三浦半島北部を歩いて      見よう!植物ウォッチング





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ヤブカラシ

ヤブカラシ Cayratia japonica ブドウ科*

・洲崎の旧日本海軍飛行場跡のギンネム林内に細々とあり、最近北袋沢・逢瀬橋側の再開墾畑で急激に繁茂している。「もっとも普通な雑草で、都市近郊や耕作地に多い」*2とあるが、父島ではごく限られた場所にある外来種*3。
・「ヤブガラシ,日本(北海道-九州),中国,マレーシアに分布、小笠原諸島では父島の低地のヤブに生息」*4,「小笠原に分布」*とするものもある。「ビンボウカヅラCissus japonica,、方言ヤブカラシ、非自生、分布;父島字北袋澤、字二子、大村島廳第一分圃」*5、「ヤブカラシCissus japonica,分布日本,蔓性草本」*6とある。戦前のものが復活した可能性もあるが、そうであれば米軍時代(1945-1968年)にギンネム、ムニンヒメツバキ、チガヤのようにあちこちで拡大していたと思われる。しかし、1968年返還後,非意図的再導入された可能性が高い。
・属名(ヤブカラシ属)Cayratia*,2,3,4,7,8,10~はCissus(セイシカズラ属)*5,6,9から整理されたようである。
・和名は「ヤブガラシ」*3,4,8,9,10,11,12としているものも多い。
・地下茎での栄養繁殖が旺盛で侵略性は高い。侵入地では徹底的排除が必要。

Yabukarasi20120513
 写真はガジュマルに絡まるヤブカラシ(父島・北袋沢)

* 籾山泰一(1982)ブドウ科,佐竹義輔ら編著;日本の野生植物草本2
*2 木場英久(2001)ブドウ科,神奈川県植物誌2001
*3 津山尚(1970)小笠原諸島の植物 続小笠原諸島自然景観調査報告書 東京都
*4 S.KOBAYASHI・M.ONO(1987)A Revised List of the Vascular Plants and
    Introduced to the Bonin(Ogasawara) and the Volcano(Kazan) Islands. Ogasawara         Research13
*5 川手文(1911-15)小笠原陸産物誌植物編 東京都公文書館蔵
*6 豊島恕清(1938)小笠原島の植生並熱帯有用植物に就て 農林省林業試験場
*7 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名?学名インデックス」(YList),http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html(2012年5月24日).
*8 牧野富太郎(1979)牧野新日本植物図鑑
*9 牧野富太郎(1940)牧野日本植物図鑑(復刻版牧野日本植物図鑑(1977))
*10 広田伸七編著(1999)ミニ雑草図鑑改訂版
*11 岩槻秀明(2009)街でよく見かける雑草や野草のくらしがわかる本
*12 環境庁編(1988)植物目録1987

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コメツブウマゴヤシ

コメツブウマゴヤシ Medicago lupulina マメ科*

Umagoyasi20120210・ヨーロッパ原産と考えられ、北海道~琉球に帰化*。
・12月末頃から芽を出し2-3月に市街地の芝を広く多い、又30cm程斜上しムグラとなる。黄色い丸い花を付け、果実は黒い米粒状。名前の由来である。父島では一年生。日差しが強くなる6月初め頃には枯れて消える。植栽芝に付いて来たようで、市街地の中で見られ、芝への影響もあまりないように見える。父島には他にウマゴヤシ(Medicago polymorpha)、トゲナシウマゴヤシ(Medicago polymorpha L.var.confinis)、ムラサキウマゴヤシ(アルファルファ)(Medicago sativa)がある*2。
・コメツブウマゴヤシ、ウマゴヤシの2種が父島・北袋沢に徃時勧農局時代移入かとある*3。彩色画からも同2種と確認できる。明治初期のものもある地域で残存しているかもしれないが、小笠原諸島返還(1968)後、度々芝に付随して導入されたものが今日市街地に見られると思われる。
 写真上はコメツブウマゴヤシのかたまり、父島・青灯台

Umagoyasi20110311


 写真下は同、父島
* 清水建美編著(2003)日本の帰化植物
*2 和田美保・和田勉之・長島忠義(2009.3.19)小笠原植物誌
 http://www.ogasawara-syokubutusi.com/index.htm
*3 川手文(1911-15)小笠原陸産物誌植物編

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セイタカオオニシキソウ

セイタカオオニシキソウ*  セイタカニシキソウ Chamaesyce hyssopifolia トウダイグサ科

20081001seitakanisikisou  「北アメリカ原産、戦後渡来、琉球に帰化」*2とある。父島のオオニシキソウとされてきたものは皆、セイタカオオニシキソウの誤同定とされた*3。米軍時代(1946-68)に非意図的導入されたと思われる。日当たりのよい地を好むが、乾燥を好むとはいえず、父島の都道路傍、洲崎旧海軍飛行場跡、最近では奥村のカヌー揚場に見られ、都道路傍は頻回に行われる草刈により目立たなくなった。広がってはいないようだ。
* 清水建美(2003)日本の帰化植物
*2 太刀掛優・中村慎吾編(2007)改訂増補帰化植物便覧
*3 黒沢高秀(2000)日本産雑草性ニシキソウ属(トウダイグサ科)植物の分類と分布 植物分類地理51(2)

写真は奥村のカヌー揚場の舗装間隙から成長(2008-10)

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