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2015年4月

キンチョウ

キンチョウ Bryophyllum delagoense  ベンケイソウ科*
別表記;Bryophyllum tubiflorum, Kalanchoe tubiflora(Harv.)*, 錦蝶*2,3,4, ツビフロルム*3,4

Kincho1
                               写真1 キンチョウの稚樹(父島)

 多年生草本、茎から放射状に短い棍棒状で斑入りの葉を出す多肉植物。日当たりのよい場所では藁色の葉が、日が遮られる場所では緑色になる。乾燥に強い(筆者は本種鉢1個体を母島で入手し父島に持参、隣接緑化ブロック端に植え、水をやることなく、草刈で除去される2014年末まで10年間余観察していたが,さほど増えず枯れず生育していた。)。「葉が成熟すると不定芽は落下し根を地中に伸ばして生育し雑草のように増えて始末に困る」*5。
・原産地 マダガスカル南東部*3
・導入 昭和戦前期(1945)以前の記録が無く、群落地は集落を外れた道路法面の岩石を削った急斜面地で太平洋戦争中(1941~1945)、又は小笠原諸島返還後(1968~)資材に紛れて非意図的に導入された可能性がある。
 日本へは園芸植物として渡来、年代不明、宮崎県で逸出*6とある。
・導入目的 非意図的か。
・野生化 太平洋戦争中(1941~1945)又は小笠原諸島返還後(1968~)。
・諸島内分布 父島*7,8。

Kincho2           写真2 キンチョウの落下した不定芽がロックネット内に留まり成長し群落に(父島)

・侵略性 極めて高い。岩石地の荒原植生種(マツバシバAristida boninensis,タチテンノウメOsteomeles schwerinaeなど)を駆逐、岩石荒原群落を消滅させる要素の一であると思われる。小笠原諸島返還後(1968~)、父島の道路法面岩石を削った急斜面地でほそぼそと野生化していた。その後、金属製ロックネットが掛けられ、それが保護する役割を果たし周囲に広がった。近年ロックネットの上に出た先(注)が道路際草刈で切り取られ付近に散布、又は付着した刈払機の使用で他の法面に広まっていると思われる。又、2015年3月にはJA小笠原父島直売所で鉢植が販売されていた。 
 注 *7掲載写真は背後に金属ネットが映っている。

Kincho3_2                              写真3 坂下の別ロックネット内にあるキンチョウ(父島)

* 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名?学名インデックス」(YList),                   http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html(2015年4月15日)
*2 高林成年編(1991)山渓カラー名鑑観葉植物
*3 八丈島園芸植物図書編集委員会編(2003)八丈島の園芸植物
*4 小笠原亜熱帯農業センター(2005)平成15年度試験成績書(付植物目録)
*5 武田和男(1998)魅力の花園ハワイの花300種ガイド
*6 太刀掛優・中村慎吾編(2007)改訂増補帰化植物便覧
*7 豊田武司(2014)小笠原諸島固有植物ガイド
*8 和田美保・和田勉之・長島忠義(2009.3.19)小笠原植物誌
http://www.ogasawara-syokubutusi.com/index.htm
※ 学名の表示は属,種小名まで。
Kincho4                    写真4 同ロックネット内、キンチョウの稚樹集団(父島)












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