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ムラサキオモト

ムラサキオモト Tradescantia spathacea  ツユクサ科*
別表記;Rhoeo discolor, Rhoeo spathacea*,  スパタケア, ディスカラー*2,  紫万年青,  紫錦蘭(シキンラン)*3

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写真上 モクマオウ林下のムラサキオモト(父島)

 多年生草本、葉の表面は濃い緑色、裏側は紫色で葉は折れやすい。オモト(万年青)[ナギイカダ科]とは別種であるが、紫色のオモトに似たものでこの名がある。日当たりを好み乾燥に強く、周囲に拡がり群落をつくる。
・原産地 メキシコ*4, メキシコ、西インド諸島*5, 西インド諸島、メキシコ、グアテマラ*6と、メキシコだけ、メキシコとその周辺地域との説がある。
・導入 明治38年(1905)以前の移植種、移植当初の記録未発見*7とあり、移出目的ではなく公的でない父島の庭園用導入と思われる。日本へは1816年(文化13)琉球より薩摩へ渡来*8とあり、日本本土(琉球を除く)からと推定される。
・導入目的 観賞用*7, 庭園用栽培*9とある。
・野生化 1944年島民の強制疎開から栽培放棄され野生化。小笠原諸島返還後(1968~)、野生化したものを採取し栽培しているものもある(父島、母島)。

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写真中 ムラサキオモト群落(父島)

・諸島内分布 聟島、父島、母島、向島*10。父島、母島、向島*11ともあるが、聟島にも戦前*12から今も分布*13。無人島の母島列島・向島にあるのは太平洋戦争末期、旧日本軍配備と関係あるのか不明。
・侵略性 小群落を作るので排他的だが広がりは遅い。しかし最近種子繁殖している模様で要継続監視種と思われる。

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写真下 ムラサキオモト稚樹(父島)

* 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名?学名インデックス」(YList),            http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html(2014年12月29日)
*2 八丈島園芸植物図書編集委員会編(2003)八丈島の園芸植物
*3 牧野富太郎(1989)改訂増補牧野新日本植物図鑑1版
*4 E.J.H. CORNER・渡辺清彦(1969)図説熱帯植物集成
*5 植村修二ら編著(2010)日本帰化植物写真図鑑第2巻
*6 高林成年編(1991)山渓カラー名鑑観葉植物
*7 豊島恕清(1938)小笠原島の植生並熱帯有用植物に就て,農林省林業試験場
*8 磯野直秀(2012)日本博物誌総合年表,平凡社
*9 山方石之助(1906)小笠原島志
*10 和田美保・和田勉之・長島忠義(2009.3.19)小笠原植物誌
http://www.ogasawara-syokubutusi.com/index.htm
*11 豊田武司(2014)小笠原諸島固有植物ガイド
*12 東京大学総合研究博物館(2011)海洋島植物標本データベース
http://umdb.um.u-tokyo.ac.jp/fmi/xsl/DShokubu/spm/top.xsl
*13 清水善和(1993)小笠原諸島聟島列島の植生 駒沢地理29
※ 学名の表示は属,種小名まで。

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