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ゲットウ

ゲットウ Alpinia zerumbet ショウガ科*  別名; Alpinia speciosa, Alpinia schumanniana*,[漢名]月桃*2,小笠原方言ソウカ*3,ハナソウカ Alpinia zerumbet var.excelsa*4

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写真上 ゲットウ群落・聟島(列植の野生化)

  本種は「徃時」「八丈輸入」「そうか(八丈)」*5とあり、八丈島民の小笠原諸島開拓移住に伴う導入種であることは間違いない。小笠原方言「そうか」、「ソーカ」*14は八丈方言「ソーカ」*6注そのものである。
  原産地は「九州南部~琉球、インドにまで分布。」*2とされる一方、近年「八丈島・小笠原・南大東島」のものはゲットウとは別で「ハナソウカ」とされる*4,7,12,13。
多年生草本、葉は大きく、高さ2-4m、株状になり排他的にその場を占有する。ブドウ状に下がった花をつけ、目立つ。半日陰、やや湿の場所を好む。種子繁殖は確認できていないようで、「屋敷や畑の周辺に植栽、逸出、大株で旺勢に生育」*3するが隣接樹木を圧迫してまでは拡がらず、今のところ生態系に左程の驚異を与えるものではない。
 「移入当初は葉鞘や茎から繊維をとるために栽培。」*3とある。生の茎を「今でも、ビロウなどを束ねる時には二つに裂いて紐の代わりに使います。」*4
 諸島内分布は「父島、弟島、母島」*3、「聟島、媒島」*8、北硫黄島*9。
  道路沿いに丈の低い個体が散見されるのは、園芸品種キフゲットウ(A. zerumbet ex.variegata)*7の実生と思われる。
 注 江戸末期の「八丈実記」*10に陣屋内に植栽されたと思われる熊竹蘭(ルビ[ソウカ])の記事がある。八丈島には同属のアオノクマタケラン(Alpinia intermedia)*8が自生するが、これに対応する八丈方言が見当たらない*11。ソウカは江戸時代に八丈島に導入されたと思われる。

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写真下 ゲットウ群落・父島(トーチカ隠蔽用植栽の野生化?)

* 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),
http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html(2014年9月21日)
*2 牧野富太郎(1979)牧野新日本植物図鑑35版
*3 豊田武司編著(2003)小笠原植物図譜増補改訂版
*4 和田美保・和田勉之・長島忠義(2009.3.19)小笠原植物誌
http://www.ogasawara-syokubutusi.com/index.htm
*5 川手文(1911-15)小笠原陸産物誌植物編,東京都公文書館蔵
*6 浅沼良次(1999)八丈島の方言辞典
*7 八丈島園芸植物図書編集委員会編(2003)八丈島の園芸植物
*8 首都大学東京・牧野標本館(2010)海洋島植物標本データベース
http://wwwmakdb.shizen.se.tmu.ac.jp/makino/home.php
*9 東京大学総合研究博物館(2011)海洋島植物標本データベース
http://umdb.um.u-tokyo.ac.jp/fmi/xsl/DShokubu/spm/top.xsl
*10 近藤富蔵著・八丈実記刊行会編(1964)八丈実記第1巻,活字本
*11 葛西重雄(1968)八丈島動植物総目録
*12 東京都総務局小笠原支庁産業課小笠原亜熱帯農業センター(2005)平成15年度試験成績書)付植物目録)
*13 船越英伸(2002)熱帯動植物友の会会報 No.112,Jan.
*14 ダニエル・ロング、橋本直幸編(2005)小笠原ことばしゃべる辞典,注2
注2 「ソーカ」関連漢字[草果]としているが「装荷」ではないかと思われる。
※ 学名の表示は属,種小名まで。

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コメント

とても素敵なブログですね!勉強になります。
本文中に
>種子繁殖は確認できていないようで
とありましたが、我が家の庭に実を蒔いたら芽が出て~ただいま成長中です!一番大きなもので、まだ本葉が4・5枚のチビですが。

投稿: 井ノ口知江 | 2014年10月14日 (火) 18時46分

楽しみですね。(*^-^)

投稿: ノブサン | 2014年10月21日 (火) 11時26分

ゲットウの写真を追加しました。

投稿: ノブサン | 2014年11月 9日 (日) 23時14分

ハナソウカの学名・和名の命名者は私ですが、漢字が間違って解釈されております。花+草果です(断言!)

投稿: Hidenobu Funakoshi | 2015年10月30日 (金) 05時55分

Hidenobu Funakoshi様。コメント、ありがとうございます。八丈方言ソウカと呼ぶ本種は、本土から導入されたものと思われますが、本土ではどう呼んでいたのか、宛字は、という問題が私は分かりません。根拠があきらかになれば、改訂したいと思います。

投稿: ノブサン | 2015年10月30日 (金) 11時36分

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