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シュクシャ

シュクシャ Hedychium coronarium ショウガ科*  漢字表記;縮砂*1 別名ハナシュクシャ*2 小笠原母島方言ジンジャー?

Shukusha20090922写真上はシュクシャ(父島)

 インド~インドシナ半島原産*3。本土には幕末渡来、鑑賞用*4。小笠原諸島には1907年本土で栽培していたものを導入したと思われる。小笠原陸産物誌植物編*5に「ハナメウガ Jingiber」の記述と2枚の水彩画があり、これをシュクシャと判断した*6。当資料に「輸入」とあるが他の文献でも明治大正期には「輸入、輸出」は小笠原諸島と本土間の物の移動に使われており、言葉の古い意味*7にもあり由来は外国ではなく本土からと考えられる。一度だけでなく、その後も導入されたと思われるが不明。

Shukusha20121023写真中はシュクシャ群落(父島)

 戦前の栽培種が野生化し、高さ1.5m程度で株をなし樹冠が開け明るい方面に広がっている。父島中央山の群落が花もよく見られ知られている*8,9。父島のみ分布*10とするものが多いが、母島でも戦後野生化し船木山・玉川ダム湖畔にあったが堤体嵩上げて消滅した。が一部上流に残っている*11。

 父島の「林縁のやや湿った場所」*9に生育しているが、「育てやすく繁殖力も旺盛」*12で株立ちして群落をつくり排他的で他種の進入ができない。遊歩道沿いの低地に三日月形に密集し規模は南北方面に約24m、西方に8.6mで、西側林内のギャップに侵出しており、遊歩道沿いには北方に直線状に43.6m程伸び、遊歩道東側にも侵出している*13。母島では野生化は沢の流路沿いのミズイモ(Colocasia esculenta)*14を圧迫衰退させ拡がっている。
 シュクシャのそばに台風や冬の強風などでギャップができると勢力を拡げ一度出来た群落には他種が進入できないので侵略性は高い。
Shukushahahajima197812
写真下は玉川ダム湖畔にあったシュクシャ(母島)

* 小笠原野生生物研究会(2002)小笠原の植物フィールドガイド
*1 牧野富太郎(1940)牧野日本植物図鑑(復刻版牧野日本植物図鑑(1977))「はなめうが」の説明文中。
*2 植村修二ら編著(2010)日本帰化植物写真図鑑第2巻
*3 堀田満ら編(1989)世界有用植物事典
*4 奥山春季編(1977)平凡社版寺崎日本植物図譜
*5 川手文(1911-15)小笠原陸産物誌植物編,東京都公文書館蔵(DVD請求番号 KI0001)
*6 延島冬生ら未発表
*7 日本大辞典刊行会編(1981)日本国語大辞典縮刷版第1版,小学館では"輸入"の「見出し」で「語釈」は“運び入れること。”の意で古くは使われていたとしている。
*8 首都大学東京・牧野標本館(2010)海洋島植物標本データベース
http://wwwmakdb.shizen.se.tmu.ac.jp/makino/home.php
*9 東京大学総合研究博物館(2011)海洋島植物標本データベース
http://umdb.um.u-tokyo.ac.jp/fmi/xsl/DShokubu/spm/top.xsl
*10 長島忠義・和田美保(2009.3.19)小笠原植物誌
 http://www.ogasawara-syokubutusi.com/index.htm
*11 無署名(2013収集)船木山の滝遊歩道 A4判縦両面印刷、母島船客待合所配備観光ガイドチラシ
*12 海洋博覧会記念公園財団編(1997)沖縄の都市緑化植物図鑑
*13 延島冬生未発表
*14 小笠原諸島の外来植物
 http://boninintroplant.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-0806.html

注 学名の表示は属,種小名まで。

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