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2012年5月

ヤブカラシ

ヤブカラシ Cayratia japonica ブドウ科*

・洲崎の旧日本海軍飛行場跡のギンネム林内に細々とあり、最近北袋沢・逢瀬橋側の再開墾畑で急激に繁茂している。「もっとも普通な雑草で、都市近郊や耕作地に多い」*2とあるが、父島ではごく限られた場所にある外来種*3。
・「ヤブガラシ,日本(北海道-九州),中国,マレーシアに分布、小笠原諸島では父島の低地のヤブに生息」*4,「小笠原に分布」*とするものもある。「ビンボウカヅラCissus japonica,、方言ヤブカラシ、非自生、分布;父島字北袋澤、字二子、大村島廳第一分圃」*5、「ヤブカラシCissus japonica,分布日本,蔓性草本」*6とある。戦前のものが復活した可能性もあるが、そうであれば米軍時代(1945-1968年)にギンネム、ムニンヒメツバキ、チガヤのようにあちこちで拡大していたと思われる。しかし、1968年返還後,非意図的再導入された可能性が高い。
・属名(ヤブカラシ属)Cayratia*,2,3,4,7,8,10~はCissus(セイシカズラ属)*5,6,9から整理されたようである。
・和名は「ヤブガラシ」*3,4,8,9,10,11,12としているものも多い。
・地下茎での栄養繁殖が旺盛で侵略性は高い。侵入地では徹底的排除が必要。

Yabukarasi20120513
 写真はガジュマルに絡まるヤブカラシ(父島・北袋沢)

* 籾山泰一(1982)ブドウ科,佐竹義輔ら編著;日本の野生植物草本2
*2 木場英久(2001)ブドウ科,神奈川県植物誌2001
*3 津山尚(1970)小笠原諸島の植物 続小笠原諸島自然景観調査報告書 東京都
*4 S.KOBAYASHI・M.ONO(1987)A Revised List of the Vascular Plants and
    Introduced to the Bonin(Ogasawara) and the Volcano(Kazan) Islands. Ogasawara         Research13
*5 川手文(1911-15)小笠原陸産物誌植物編 東京都公文書館蔵
*6 豊島恕清(1938)小笠原島の植生並熱帯有用植物に就て 農林省林業試験場
*7 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名?学名インデックス」(YList),http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html(2012年5月24日).
*8 牧野富太郎(1979)牧野新日本植物図鑑
*9 牧野富太郎(1940)牧野日本植物図鑑(復刻版牧野日本植物図鑑(1977))
*10 広田伸七編著(1999)ミニ雑草図鑑改訂版
*11 岩槻秀明(2009)街でよく見かける雑草や野草のくらしがわかる本
*12 環境庁編(1988)植物目録1987

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テッポウユリ

テッポウユリ Lilium longiflorum ユリ科*

Yuri20120509
・九州(屋久島)以南と琉球に自生*2。
・4月下旬~6月上旬に開花、岩場に白く目立つ。乾燥に強く、岩場、海岸上のシバ斜面などで野生化し、最近海岸、平地にも広がっている。
・小笠原諸島への導入は遅く、川手*3には記載なく福田*4、豊島*5の記載がある。大正初期頃導入栽培逸出したと思われる。「横浜の植木会社や獨人が種球数百箱を送ったのが始まり…鍋島農場でも当時試作してみた…軸の割合には球は生育していなかった…見込みがないと打遣って…今は野性的に繁息」*4。津山*6は「戦前の採集記録はないので、これが野生化し始めたのは戦後の軍事的の活動のためと想像される。」とある。鑑賞用に島民が栽培、逸出したものもあるが、母島南崎など人家と隔絶した旧日本軍陣地跡にも多いので拡散には旧軍関与の可能性も大。
・小笠原諸島返還後作詞作曲された名曲「南崎」*7には「清い乙女の心を秘めているよな、広い心の海に寄り添うような百合の花」と唄われている。
・広がっているが自生種の生育を妨げているようには見えないので、今のところ非侵略的外来種の一。

Yuri20120505
写真上は鉄砲谷左岸上のテッポウユリ群落(母島)
  写真下は小港海岸林内、同(父島)

* 豊田武司編著(2003)小笠原植物図譜増補改訂版
*2 奥山春季編著(1977)平凡社版寺崎日本植物図譜
*3 川手文(1911-15)小笠原陸産物誌植物編 東京都公文書館蔵
*4 福田定次(1920)東洋の楽園 東洋園芸(株)
*5 豊島恕清(1938)小笠原島の植生並熱帯有用植物に就て 農林省林業試験場
*6 津山 尚(1970)小笠原の自然・解説編 廣川書店
*7 若林英鋭(2004)小笠原で生まれた唄「南崎」 季刊誌i-Bo11 小笠原自然文化研究所

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