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2010年8月

シチヘンゲ

シチヘンゲ(七変化、別名ランタナ) Lantana camara クマツヅラ科

Sitihenge 低木、明治初期、インド又はジャワ島から園芸種として導入され、野生化。ハワイでは同属種が野生化し「一杯に山麓からやや高地に到るまでを覆って茂り、その枝葉の棘の故に通過も困難な状態」*とのこと。硫黄島のランタナは棘があり「通過も困難」であるが、小笠原群島のそれは棘がない。内地では園芸植物*2で小笠原諸島来訪の一般観光客には人気の花だが、要注意外来生物*3であり、世界の侵略的外来種ワースト100にもあげられている。以前は散見された程度であったが、父島では近年遊歩道脇、崩壊地、人為的撹乱地に侵入・群落を形成し乾性低木林の脅威となっている*4。
* 津山 尚(1970)小笠原諸島の植物 続小笠原諸島自然景観調査報告書 東京都
*2 八丈島園芸植物図書編集委員会(2003)八丈島の園芸植物
*3 環境省 要注意外来生物リスト:植物(一覧)
http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/list_sho.html 
*4 延島冬生(2010)小笠原諸島に侵入している外来植物の現状 植調44-1 (財)日本植物調節剤研究協会

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アカギ

アカギ 別名カタン Bischofia javanica コミカンソウ科←トウダイグサ科*

Akagi2 東南アジア原産、明治後期に移出価値のある用材として営林署により導入され、植林された。中高木層をなし、種子生産量は多く、鳥散布され、在来の森林に侵入し、自生植物を排除している。耐乾性が無い本種が繁茂し侵略性を獲得したのは耐陰性があること、標高150m以上の雲霧がかかり易い高さで日陰になり易い場所では定着できること、島の気候への順化に伴う低地への侵出が挙げられる。写真上は三出複葉のアカギの葉

琉球では銘木とされ、首里金城の大アカギは国指定天然記念物とされている*2が、小笠原諸島では最悪の侵略的外来種である*3。太平洋戦争中、旧日本軍が杭などに使ったと思われ、それがあちこちで活着し拡大拠点の一となっている。

Akagi 写真下は父島・夜明山のアカギ並木
* 大場秀章編著(2009)植物分類表 アボック社
*2 http://www.geocities.co.jp/Outdoors-Mountain/1141/C-A-2-040.html
*3 延島冬生(2010)小笠原諸島に侵入している外来植物の現状 植調44-1 (財)日本植物調節剤研究協会

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転載:雑草の会 2010-8月報告

《2010-8-4 雑草の会報告》
 生ものや母島、硫黄島などの写真も沢山、参加者も多く時間が足らないくらいでした。

外来草本・シダ26種
 ・ハマスゲ(幼樹)[香附子=カヤツリグサ科]小曲
 ・ハメリカハマグルマ(幼樹)[キク科]小曲
 ・オオバナセンダングサ(幼樹)[キク科]小曲
 ・ホナガソウ(幼樹)[クマツヅラ科]小曲
 ・コマツヨイグサ(実)[小待宵草=アカバナ科]小曲
 ・ムラサキゴテン[パープルハート=ツユクサ科]西町、栽培放棄(6月写真の実物)
 ・ツユクサsp[ツユクサ科]西町、栽培放棄
 ・セイバンモロコシ(穂)[イネ科]西町
 ・オヒシバ(穂)[イネ科]西町、小曲
 ・メヒシバ(穂)[イネ科]西町
 ・イネ科sp[イネ科]西町
 ・シバsp[イネ科]小曲
 ・イヌビユ(穂)[ヒユ科]西町
 ・モンパイノコヅチ(穂)?[ヒユ科]母島・姉島附南鳥島(写真)
 ・ナガバハリフタバムグラ(花、実)[アカネ科]西町
 ・オガサワラコミカンソウ(実)[コミカンソウ科←トウダイグサ科]小曲
 ・ナガエコミカンソウ(実)[[コミカンソウ科←トウダイグサ科]小曲
 ・キンチョウ[ベンケイソウ科]奥村上(写真)
 ・タイワンイチビ(花、実)[アオイ科]母島・姉島附南鳥島、聟島(写真)
 ・ハゼラン(実)[スベリヒユ科]硫黄島(写真)
 ・ケツメクサ[ヒメマツバボタン=スベリヒユ科]硫黄島(写真)
 ・ショウジョウソウ[猩々草、ヘテロフィラ=トウダイグサ科]硫黄島(写真)
 ・クサトケイソウ(花)[トケイソウ科]硫黄島(写真)
 ・ニトベカズラ(花)[タデ科]硫黄島(写真)
 ・ウマゴヤシ?[マメ科]硫黄島(写真)
 ・シナガワハギ?[マメ科]硫黄島(写真)
  
外来木本4種
 ・キバナキョウチクトウ(花、実)[キョウチクトウ科]西町、栽培、新規
 ・カエンボク[火炎木=ノウゼンカズラ科]西町、栽培
 ・リュウキュウコクタン(実)[カキノキ科](写真)
 ・クサトベラ[クサトベラ科]硫黄島(写真)

自生草本・シダ3種
 ・マツバラン[ラン科](写真)
 ・ハマナタマメ(花、実)[マメ科]硫黄島(写真)
 ・ムニンキケマン(花)?[ケシ科]硫黄島(写真)

自生木本8種
 ・シマタイミンタチバナ(実)[サクラソウ科←ヤブコウジ科](写真)
 ・ヒメフトモモ(花)[フトモモ科](写真)
 ・シャリンバイ(花)[車輪梅=バラ科](写真)
 ・シマカナメモチ(花、実)[バラ科](写真)
 ・キンショクダモ(実)[クスノキ科](写真)
 ・シマモチ(実)[モチノキ科](写真)
 ・ムニンネズミモチ(実)[モクセイ科](写真)
 ・ハマゴウ[シソ科←クマツヅラ科]硫黄島(写真)
 
自生コケ0種
 ・無

自生地衣類0種
 ・無

◎訂正
 ・無

注1 [ゴクラクチョウカ科←バショウ科]のように科名に←印のあるのは、大場植物分類表 *による変更。
 * 大場秀章編著(2009)植物分類表 アボック社
注2 今回の参考文献
 ・清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七編著(2001)日本帰化植物写真図鑑
 ・豊田武司編著(2003)小笠原植物図譜増補改訂版
 ・奥山春季編(1977)平凡社版寺崎日本植物図譜
 ・長田武正(1993)増補日本イネ科植物図譜
 ・八丈島園芸植物図書編集委員会(2003)八丈島の園芸植物
 ・佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎・亘理俊
      次・冨成忠夫(1982)日本の野生植物草本2
 ・牧野富太郎(1979)牧野新日本植物図鑑35版
 ・太刀掛優・中村慎吾編(2007)改訂増補帰化植物便覧
 ・延島冬生(2010)小笠原諸島に侵入している外来植物の現状 植調44-1
以上です。
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小笠原野生生物研究会
meil:yaseiken@globe.ocn.ne.jp
http://www10.ocn.ne.jp/~yaseiken/
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クリノイガ

Kurinoiga シンクリノイガ Cenchrus echinatus 島名トッツキ,クリノイガ イネ科(南島、写真上)。戦後米軍時代にフィリピンからグアム・サイパン経由で導入した牛に付着して入ってきたようだ*。果実が犬猫、ノヤギ、人、鳥に付着、海流でも広がり、そこで重力散布により群落を拡大する。父島では返還時(1968年)頃の勢力はないものの点在している。日当りがよく乾燥した大村の広場や空地が返還後の施設や道路整備など又最近は民地にも次々と店舗などが建ち、群落を作るほどの土の空間が少なくなったことによるのであろう。母島には復興事業が本格化した返還5年後以降に入った模様、沖村で広がったが左程拡大していない。一方、南島では爆発的に広がり、在来種を圧迫していたので地元NPOや行政により駆除が始められたが、未だ根絶出来ていない。また、硫黄島にも侵入しており、南硫黄島調査でも確認され*2、鳥による散布と思われる。種の多様性、生物多様性への影響大の侵略的外来種である。延島は2008年ガラパゴス諸島サンクリストバル島海岸で大型の同属を見た、種名は不明。
* 延島冬生(2010)小笠原諸島に侵入している外来植物の現状 植調44-1 (財)日本植物調節剤研究協会
*2 藤田 卓ら(2008)南硫黄島の維管束植物相 小笠原研究33 首都大学東京小笠原研究委員会

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