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2009年1月

ガジュマル

19970102 写真は種子発芽のガジュマル(1997年1月亜熱帯農業センター、園芸農家からガジュマルの小鉢を寄贈されたという。)

ガジュマル Ficus microcarpa クワ科 熱帯アジア原産*
 明治期に導入、砂糖製造場や農作業小屋に木陰を作ったり、防風用に植栽された。北村小学校(母島)では卒業記念に垣根として植樹したという。太平洋戦争中はトーチカや壕の偽装にも使われた。戦後放置され各所に巨大なガジュマル樹が繁っている。しかし植栽されたものなどが生育し巨大化しても、種子を稔らせず繁殖することはなく、生態への影響は巨大なガジュマル樹の生育箇所のみに限られていた。返還後の一時期は、大型観葉植物として内地へ出荷もされていた。
 しかし、1990年代後半頃から父島・母島で実生が見られるようになり、今では街中から無人島まで擁壁、道路側溝、建物外壁、木の洞、岩の窪みなど至る所で実生の幼樹が見られ、大きくなっている。村内の園芸農家が琉球より種子発芽のガジュマルの小鉢を導入したことによりガジュマルコバチも入り結実するようになったようである。ガジュマルの実はメジロ、メグロ、ヒヨドリ、アカガシラカラスバトなどの鳥が好んで食べ糞から発芽し、広がっている。樹上で発芽したガジュマルは、気根を垂らし地上に着くと養分を吸い上げ、急速に成長し元の木を樹冠で覆い、幹や枝に気根が絡み付き、ついには枯死させてしまう。絞め殺し植物の一である。アンコールワットでは、遺跡が気根で破壊されているという。小笠原諸島の生態系に重大な脅威を与える侵略的外来種の一であるが、対策はまだ何もとられていない。

Photo 写真はモクマオウに着生したガジュマル(2008年、奥村)
参考:清水善和(2002)小笠原の外来樹木 日本生態学会編 外来種ハンドブック
* 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名?学名インデックス」(YList),http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html(2014年5月11日).

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転載:小笠原野生生物研究会・雑草の会_2月のお知らせ

#雑草の会 2009-2月のお知らせ

日にち:2月3日(火)
場 所:地域福祉センター 2F会議室(左)
時 間:午後7時~8時半

 手ぶらでも、雑草や写真を持ってきても結構です。気軽にご参加下さい。

《2009-1-6 雑草の会報告》
 生の草木や写真が多数持ち寄られ、初参加の方もあり、盛況でした。写真の全てはここ
に記録されていません。

外来草本15種
 ・アマチャズル[ニウリ科]洲崎 *従前「ヤブガラシ」としたもの
 ・ショクヨウホオヅキ(実)[ニナス科]北袋沢、栽培逸出
 ・キンゴジカ(花、実)[ニアオイ科]初寝浦展望台 *2008-08の会で「ホザキキンゴジカ」
としたもの
 ・タイワンイチビ(花)[ニアオイ科](写真)コペペ遊歩道
 ・フトボナガボソウ(花)[ニクマツヅラ科]洲崎
 ・ナガボソウ(花)[ホナガソウ、チリメンナガボソウニクマツヅラ科]洲崎
 ・コバナムラサキムカシヨモギ(花)[ニキク科]洲崎
 ・オオアレチノギク(花)[ニキク科]洲崎
 ・ヒメセンニチモドキ(花)[ニキク科](写真)西海岸
 ・ハブソウ(花、実)[ニマメ科]洲崎
 ・ナガバハリフタバムグラ(花、実)[ニアカネ科]洲崎都道脇
 ・オガルガヤ(穂)[ニイネ科]清瀬・保健所
 ・マルバツユクサ(花)[ニツユクサ科](写真)赤旗山
 ・タマスダレ(花)[レインリリーニツユクサ科](写真)宮之浜
 ・カスミヒメハギ(花)[=ヒメハギ科](写真)

外来木本8種
 ・ウバメガシ[=ブナ科]洲崎プラント 栽培
 ・モクキリン[=サボテン科](写真)宮之浜
 ・ヤコウボク(花)[=ナス科](写真)宮之浜
 ・ヤエヤマアオキ(実)[=アカネ科]清瀬(写真) 栽培
 ・ピタンガ(実)[ウニフロラ=フトモモ科](写真) 栽培
 ・センネンボク[幸福の木=リュウゼツラン科](写真) 栽培
 ・オオイタビ(実)[=クワ科]大神山神社(写真) 栽培
 ・キダチアロエ(花)[=ユリ科]清瀬(写真) 栽培

自生草本・シダ5種
 ・コヒロハハナヤスリ[=ハナヤスリ科]
 ・クグ(穂)[イヌクグ=カヤツリグサ科]吹上谷
 ・オオバハマアサガオ(実)[ニヒルガオ科](写真)
 ・マルバケズメグサ(花)[ニヒユ科](写真)
 ・ヒメチゴザザ[ニイネ科]

自生木本1種
 ・シマムラサキ[ニクマツヅラ科](写真)

自生コケ
 ・無

自生地衣類2種
 ・サルオガセsp[=サルオガセ科]
 ・カラタチゴケsp[=サルオガセ科]

以上です。

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アメリカハマグルマ

Wedelia アメリカハマグルマ Wedelia Trilobata[アメリカ浜車] キク科
 昭和年代に父島で野生化していたものは、広がらず細々と個体群をそこで維持していたように見えた。例えば、現電信山職住に改変される以前の軍道上。
 ところが、父島、母島の都道法面緑化などに新たに導入されたものは、繁殖力旺盛で、ツルを伸ばし気根を出し根付き、周辺に侵入・拡大、広く地面を覆いタコノキなどの根本も覆われ、幹に這いあがらんとする勢いである(写真)。地面にある在来種(テイカカズラ、ムニンナキリスゲなど)が駆逐されているし、植物の種子の地面への落下、発芽などの妨げになっている可能性もある。道路などへはみ出してくるものは刈られているが、奥や横に広がるのは放置されていることが多い。影響は、在来の植物だけでなく地表性の昆虫・陸産貝類・土壌動物へも多大であると思われる。管理者の対応が急がれる。
 ちなみに、本種は外来生物法では要注意外来生物リストにあげられており、IUCNの世界の侵略的外来種ワースト100にもなっている。

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