トウゴマ

トウゴマ;(ヒマ,唐胡麻、蓖麻<漢名>) Ricinus communis L.*
島名 ヒマ トウダイグサ科

Tougoma20150502_1
写真はトウゴマ全体 父島都立大神山公園

原産地:アフリカ北東部*3,印度、小アジア、北アフリカ*4,アメリカ東部*5と諸説ある。 日本では1年草とあるが*2、小笠原諸島では多年生草本で2m以上高になる。
導入:小笠原諸島には1889年輸入,栽培無し野生化したが*6、薬剤(下剤ヒマシ油)、航空機用油として重視されたことから、その後、種々の品種が導入された模様。硫黄島では1932年頃大規模栽培に着手、虫害で失敗とある*7。
分散:大きな葉を広げ群落をつくるので他の植物を排除するが、強風に弱く群落が大きくならない、又種子は鳥が食べないようで分散されていない。しかし、潮に強く種子も浮くので父島清瀬川河口に生育したこともある。建設残土の再使用で種子又は株が入った赤土が工事で使われ意図的拡散をしている(例:都立大神山公園)。海流散布と意図的拡散に要注意種である。
分布:父島、母島、硫黄島、北硫黄島、南鳥島*8,9,10.

写真はトウゴマ花穂 父島都立大神山公園
写真はトウゴマ花穂 父島都立大神山公園

天皇御歌[みうた](1994年平成6硫黄島行幸啓)
 戦火[いくさび]に 焼かれし島に 五十年[いそとせ]も 主なき蓖麻[ひま]は 生い茂りゐぬ

写真はトウゴマ実 父島都立大神山公園

 

 

 

 

 

 




写真はトウゴマ実 父島都立大神山公園

* 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info ( 2019年5月25日)
*2 堀田 満編(1989)世界有用植物事典
*3 清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七編著(2001)日本帰化植物写真図鑑
*4 牧野富太郎(1989)改訂増補牧野新日本植物図鑑1版
*5 神奈川県植物誌調査会編(2018)神奈川県植物誌2018
*6 川手 文(1911~1914)小笠原陸産物誌植物編
*7 豊島恕清(1938)小笠原島の植生並熱帯有用植物に就て,農林省林業試験場
*8 Sumiko KOBAYASHI and Mikio ONO(1987)A Revised List of the Vascular Plants and Introduced to the Bonin(Ogasawara) and the Volcano(Kazan) Islands,小笠原研究13
*9 榎本 敬(1993)小笠原諸島、父島・母島の雑草と帰化植物,小笠原研究16
*10 藤田 卓・山本保々・加藤英寿(2004)北硫黄島の植物相,小笠原研究29

 

 

 

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ギンネム

ギンネム(銀合歓、ギンゴウカン) ≪改≫ Leucaena leucocephala
 
島名ギンゴウカイ マメ科

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写真上はギンネムの蕾、花、莢果

  矮低木ー中木、幕末・文久年間に江戸から移植されたのが最初で*、明治初期インドから再導入された。露岩、裸地の緑化に種子播種を含め積極的に官により広められた。父島・大神山公園や母島・乳房山登山道入口(乳房橋側)などにサンスベリア(チトセラン)を土留めにして植林された跡が見られる。

   成長が早く細い木が容易に手に入るので、農地の端にも植えられ利用されたようである。陽樹で耐陰性があまりなく、重力散布種子なので、戦前は植栽地以外に広まらなかったが、戦後、放棄された集落、畑、道路に一斉に群落を作った。

Ginnemu





写真中はギンネムの莢果

   父島ウェザーステイションの斜面で明らかなように一旦群落ができると遷移はなかなか進まず、在来種がほとんど侵入できない。父島・母島では復興・振興事業などで返還時程の勢力は無いが、新たな道路整備、農地放棄などで一部復活している。又、葉・枝は野生化したノヤギの餌であり、ノヤギを駆除した聟島列島・媒島などでは勢いを復活し駆除対象とされている。父島・母島では新たな撹乱地に広めない対策が必要。

   硫黄島では、太平洋戦争後、占領した米軍が種子を空中から播いたとされる。しかし、戦争前に国有林や民間により、小笠原群島から既に導入されていたと思われる。

皇后御歌[みうた](1994年硫黄島行幸啓)
 銀ネムの木木茂りゐるこの島に五十年[いそとせ]眠るみ魂[たま]かなしき

Ginnemu3 















写真下はギンネムの植栽跡(下にサンスベリア)父島・大根山

* 延島冬生(2010)小笠原諸島に侵入している外来植物の現状 植調44-1 (財)日本植物調節剤研究協会

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シンクリノイガ2

シンクリノイガ  Cenchrus echinatus L. 島名トッツキ,クリノイガ イネ科*。

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写真上 大村海岸を覆うシンクリノイガ Cenchrus echinatus

・原産地 中央アメリカ、熱帯アメリカ原産のクリノイガCenchrus brownii Roem. et Schult とは異なる。*2
・導入 戦後米軍時代(1946~1968),フィリピンからグアム経由で導入した牛の敷きわらに付着して入ってきたという*3。非意図的導入。
・侵略性 小笠原諸島の世界自然遺産登録以前から、侵略的外来植物・草本NO.1として南島で精力的に駆除されてきた*4。
・駆除の困難性 母島では沖港海岸(前浜)に広がり、延島は2年近く掛けて駆除、父島で は大神山神社の一角で繁茂する個体群を、やはり2年近く掛けて駆除をした。大村とその周辺にまだ残存して広がりをみせている。夏期(5-10月)は成長が速く10日程で結実、下に落ちた種は直ぐに、犬・猫・鳥・人にくっついた実は落下先で発芽し広がる*3。母島では、その後環境省事業で駆除されたが、再発が気になる。抜き取った後も絶えず監視し、結実する前に抜く、根気よく続けることが要る。
・拡散  水に浮く本種は他の海岸、属島に漂着して海岸線に群落をつくる可能性がある。父島・南袋沢の海岸(ブタ海岸)には汀線に並行した群落があった。米軍時代(1946~1968),ブタを放飼いしていたので、ブタ・人に付いて群落ができたと考えられる(その後消滅、波による砂の消失が原因か。)。南島の群落は人への付着だけでなく、漂着の可能性もあろう。

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写真中 立入禁止看板の前後に広がるシンクリノイガ Cenchrus echinatus

・大村海岸で 2017年は前年から続く干ばつ、その後の台風豪雨、高気温期が続き、本種は爆発的に再現している。駆除以前の南島を彷彿させる風景である。その上、立ち入り禁止区域に広く生えている。
・対策 世界自然遺産小笠原諸島の管理機関(環境省小笠原世界遺産センター・林野庁小笠原諸島森林生態系保全センター・東京都小笠原支庁・小笠原村)には、早急に対策をたて再拡散を防ぐことが求められる。
Tottuki_minamifukurozawa19970716
写真下 父島・南袋沢の海岸(ブタ海岸)にあったシンクリノイガ Cenchrus echinatus

*  米倉浩司・梶田忠(2003-)BG Plants 和名-学名インデックス(YList)
    http://ylist.info (2017年10月10日)
*2 清水矩宏ら編著(2001)日本帰化植物写真図鑑
*3 シンクリノイガ>小笠原諸島の外来植物
    http://boninintroplant.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-5a8e.html
*4 延島冬生(2010)小笠原諸島に侵入している外来植物の現状 植調44-1,5-15 (財)日本 植物調節剤研究協会
   http://bonin-islands.world.coocan.jp/Shokucho44-1PDF.PDF

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アカバナユウゲショウ

アカバナユウゲショウ Oenothera rosea L'He'r. ex Aiton 別名 ユウゲショウ アカバナ科*
小笠原方言;-

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写真1 アカバナユウゲショウ Oenothera rosea
父島大神山公園、清瀬トンネル入口(信号前)

・多年草、20-60cm高,桃色小花,早朝開花と思われ,夕方・夜間に開花せず,15時過ぎに萎むが半開のまま色変わりせず、翌日も着いている。「開花 未明4-5時、夕方6-8時閉」*2タイプで、「夜咲系」*3ではない。「根は直根。葉は根生葉と茎につく葉からなる。」*4、茎につく葉は小さく細いものが多い。「主根はなく、ひげ根をもつ」*5ではない。群生。図鑑等の記述も一様でなく、マツヨイグサ属の他種かもしれないが、アカバナユウゲショウとする。

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写真2 アカバナユウゲショウ Oenothera rosea 萎んだ花と根生葉 同

・原産地;米大陸原産*6,北アメリカ*5,北米南部原産*7,南アメリカ原産*4,熱帯アメリカ原産*8とある。

・導入時期;日本本土には、明治年間より鑑賞用に栽培されたという*5。小笠原諸島には、近年と思われる。

・導入目的;本土では観賞用*5。小笠原諸島には非意図的導入。

・野生化;関東以西に帰化、沖縄には戦後に帰化*4。小笠原諸島には本土からの工事用資材(砂、砂利)に混じってきた可能性が大きい。同属のコマツヨイグサ(Oenothera laciniata)*9,10と同じ経路と推定される。

・繁殖地;今のところ、父島清瀬トンネル入口(信号前)両側に群生しているのが確認されている、数千個体あるか。ここは都立大神山公園の緑地で、ブラシノキ(Callistemon rigidus?)等が植栽されている。数年前改修工事があった。又、陸揚げされた砂利・砂を運搬するダンプカーからこぼれたものの掃き溜めにもなっている。

・侵略性;同属のヒルザキツキミソウ(Oenothera speciosa)*11が栽培され、かつ父島・扇浦で野生化している。同じく同属のコマツヨイグサが父島、母島の工事用砂置場付近から見つかり、その後、父島では公園、運動場、道路沿い、東平サンクチュアリ付近にもよく見られる。又、南島では、シンクリノイガ(Cenchrus echinatus)*12等の駆除後、コマツヨイグサが爆発的に増えた。その駆除作業に私も従事したが、ロゼットを固まった砂から剥ぐ作業は大変だった。拡散し父島属島にも侵入する前に、見つかった群落を速やかに駆除することが世界自然遺産小笠原諸島の価値を維持するため必要と思われる。

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写真3 アカバナユウゲショウ Oenothera rosea 純群落  同

* 米倉浩司・梶田忠(2003-)BG Plants 和名-学名インデックス(YList),(2017年4月26日)
 http://ylist.info
*2 植村修二ら編著(2010)日本帰化植物写真図鑑第2巻
*3 横浜植物会編(2003)横浜の植物
*4 竹松哲夫・一前宣正(1993)世界の雑草2-離弁花類-
*5 清水建美編(2003)日本の帰化植物 平凡社
*6 長田武正(1972)日本帰化植物図鑑
*7 初島住彦(1990)琉球植物誌(追加訂正版)訂正増刷
*8 廣田伸七(2013)ミニ山野草図鑑ー離弁花編
*9 コマツヨイグサ改訂: 小笠原諸島の外来植物
  http://boninintroplant.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-c5be.html
*10 「4cm以上の大きな花をつけるものをオオバナコマツヨイグサと呼びます。」
 …(1985)江東区の野草3刷(1984初版)
*11 * ヒルザキツキミソウ: 小笠原諸島の外来植物
    http://boninintroplant.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-590d.html
*12 クリノイガ: 小笠原諸島の外来植物
  http://boninintroplant.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-5a8e.html

Jaribune
写真4  工事用資材(砂、砂利)の陸揚げ 父島二見港
   Unloaded Sand and Gravel  on Futami Harbour in Chichijima

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ダンドク

ダンドク Canna indica L. アカバナダンドク カンナ科*

Dandokufl2016
写真1 ダンドク Canna indica

小笠原方言;-
・多年草、1-2m高,赤花,よく結実する。
・原産地;熱帯アメリカ*2と,インド・マレー諸島*3に見解が二分される。
・導入時期;1879(明治12)年輸入*4。
・導入目的;観賞用。日本には江戸時代*2, 具体的には1664,1699年*5,1700年頃*6,1770年*7, 1828年*5, 1850年頃*8とばらつきが甚だしいが園芸用に導入。
・野生化;大正初期父島に「所々ニ野性的状態ニ存在ス」*4という状態で、1920~30年弟島、母島採集標本がある*9。小笠原諸島返還(1968)後,再導入されたものが拡散していると思われる。

Dandokuf2016
写真2 ダンドク Canna indica

・繁殖地;父島のみ*10。父島、母島、弟島*11,12。
・侵略性;種子で増えるが元の株付近に限られる筈である。父島東町Bしっぷ裏の植栽株は日当たりが強い故か成長がよくないので本種は安心と思われた。しかし、父島長谷[ながたに]農地から都道下の沢に種子が転がり野生化しているので、世界自然遺産登録前(~2011)道路管理者とともに駆除した。ここ1-2年、都立大神山公園、道路側溝等から急に成長し開花が目立った。株、種子の入った土の移動、草刈に使われる刈払機への種子付着使用先での拡散などの人為的要因と考えられる。赤い綺麗な花は愛好家に好まれやすい。要監視種である。

Dandokupark2016
写真3 ダンドク Canna indica 父島大神山公園

* 米倉浩司・梶田忠((2003-)BG Plants 和名-学名インデックス(YList),
 http://ylist.info
 (2016年10月08日)
*2 清水建美編(2003)日本の帰化植物 平凡社
*3 熱帯植物研究会(1984)熱帯植物要覧,大日本山林会
*4 川手文(1911-15)小笠原陸産物誌植物編,東京都公文書館蔵
*5 磯野直秀(2012)日本博物誌総合年表,平凡社
*6 太刀掛優・中村慎吾編(2007)改訂増補帰化植物便覧
*7 植村修二ら編著(2015)増補改訂日本帰化植物写真図鑑第2巻
*8 日本生態学会編(2002)外来種ハンドブック
*9 東京大学総合研究博物館(2011)海洋島植物標本データベース
    標本番号 6268,6269,6590,6591
   http://umdb.um.u-tokyo.ac.jp/
*10 豊田武司(2014)小笠原諸島固有植物ガイド
*11 長島忠義・和田美保(2009.3.19)小笠原植物誌
 http://www.ogasawara-syokubutusi.com/index.htm
*12 (社法)日本林業技術協会(2004)平成15年度小笠原地域自然再生推進計画調査(その1)
Dandokuroadside2016
写真4 ダンドク Canna indica 父島道路脇





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ムラサキカタバミ

ムラサキカタバミ Oxalis debilis Kunth subsp. corymbosa (DC.) Lourteig. カタバミ科*

Murasakikatabami2
写真1はムラサキカタバミ Oxalis corymbosa 花 父島宮之浜道

小笠原方言;スッパグサ*2,3,4,5、アマイモ*3。
・多年草、開花は2月*6、3-4月*5(写真1-2),12月*7。6-8月地上部は枯れ、9月から発芽する。結実せず株基部の鱗茎で増える。なお、同属のイモカタバミ(O.articulata)、ハナカタバミ(O.bowieana)などは、今のところ確認されていないようだ。
・原産地;南アメリカ*8とするものが多く,ブラジル*9ともある。
・導入時期;明治20年頃*10。
・導入目的;非意図的導入、内地輸入物に付着*10。日本には幕末1860年代に導入*8。
・野生化;「一度之ヲ生スルトキハ容易二絶滅セシムルコト能ハス農園等…甚タシキ害草。其細小ナル鱗莖ハ苗木ノ根二附着シ現今ハ森林中ニモ発見スル二至レリ」*11と、大正期に既に害草と認識され、かつ圃場から森林に拡散していた。又、「輸入二係ル鑑賞植物」*11とあるが島内拡散に「鑑賞」目的があったと思われる。
・繁殖地;父島、母島、弟島*12。聟島*13、媒島*14、北硫黄島*15、西島*16。
・侵略性;鱗茎で増えるので飛地的には広がらないはずだが、抜いた株の鱗茎が残ったり、土の移動と苗木、車、ユンボなどの重機、工事用資材、スコップなどの作業用具、作業靴等に付着し道路沿い,畑、庭、工事現場などに広がっている。母島都道北進線では、道路改修前は北村で見られる程度だった*17が、あちこちに広がり現工事区間の猪熊谷、長浜でも見られる*18。
  環境省要注意外来生物リスト*19掲載の本種は鱗茎が残らないよう上手に駆除する対象である。

Murasakikatabami                                   写真2はムラサキカタバミ Oxalis corymbosa 全体 父島清瀬

* 米倉浩司・梶田忠(2003-)BG Plants 和名-学名インデックス(YList)
  http://ylist.info (2016年9月13日)
*2 川手文(1911-15)小笠原陸産物誌植物編,東京都公文書館蔵
*3 小笠原營林署(1943)小笠原島所生植物利用調査書
*4 ダニエル・ロング、橋本直幸編(2005)小笠原ことばしゃべる辞典,南方新社
*5  NPO小笠原野生生物研究会(2002)小笠原の植物フィールドガイド
*6 長島忠義・和田美保(2009.3.19)小笠原植物誌
 http://www.ogasawara-syokubutusi.com/index.htm 
*7 東京大学総合研究博物館(2011)海洋島植物標本データベース
    標本番号2283
  http://umdb.um.u-tokyo.ac.jp/  (20160914)
*8 竹松哲夫・一前宣正(1993)世界の雑草2-離弁花類-
*9 堀田 満ら編 (1989)世界有用植物事典
*10 川手文(1911-15)小笠原陸産物誌植物編,東京都公文書館蔵
*11 東京府小笠原島庁(1914)小笠原島ノ概況及森林
*12 豊田武司(2014)小笠原諸島固有植物ガイド
*13 清水善和 (1993)小笠原諸島聟島列島の植生 駒沢地理29
*14 山本保々ら(2003)ノヤギ排除直後における聟島・媒島の植物相 小笠原研究28
*15 藤田 卓ら(2004)北硫黄島の植物相 小笠原研究29
*16 環境省自然環境局南関東地区自然保護事務所(2005)参考資料生物種リスト平成16年度         小笠原地域自然再生推進計画調査(その1)業務報告書
*17 (財)国立公園協会(1977)小笠原・母島道路計画にともなう自然環境調査報告書
*18 東京都建設局(2016)第9回 北進線改修事業に係る専門家会議配布資料
*19  要注意外来生物リスト[外来生物法]
   https://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/list/caution.html#pagetop (2016/09/13)


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セイヨウタンポポ

Tanpopo20090316_2
写真1はセイヨウタンポポ Taraxacum officinale VERA 2009

セイヨウタンポポ Taraxacum officinale Weber ex F.H.Wigg キク科*

別表記;ショクヨウタンポポ*,
       外来種タンポポ種群 Taraxacum officinale agg.*2
小笠原方言;タンポポ。但し、オニタビラコ(Youngia japonica)をタンポポとも呼んでいる。
・日当たりを好み、4月前後に開花、結実後低地では消え、高地では10月頃も開花することがある。
Tanpopo20150506
写真2はセイヨウタンポポ Taraxacum officinale 夜明道路 2015

・原産地;ヨーロッパ*3
・導  入;太平洋戦争(1945)以前の記録は無さそう、小笠原諸島返還(1968)後。
・導入目的;非意図的導入、芝に付いて持ち込まれたと思われる。
・野生化;芝とともに成長開花、芝とその周辺で野生化。夏季の暑さと乾燥により低地では消え、200m~高地では10月頃開花することがある。
・繁殖地;父島*4。場所は桑ノ木山*5、大神山公園(宮之浜道)*6、扇浦*7、奥村、清瀬、国立天文台(VERA)と附近の夜明道路(旭平,夜明平)。
・侵略性;芝の内地から持込自粛により、VERAを最後に持込は抑えられている。それ以前に持込まれた奥村では日陰で繁殖していたが消えたようである。しかし、2015,2016年にVERAと付近の夜明道路で、2016年に大神山公園・小学校前(宮之浜道)、清瀬西バス停附近で5-6月に再確認されている。日本の侵略的外来種ワースト100(Taraxacum spp.)*2である本種の動向は要注意である。

Tanpopo20160410
写真3はセイヨウタンポポ Taraxacum officinale 清瀬 2016

* 米倉浩司・梶田忠(2003-)BG Plants 和名-学名インデックス(YList)
  http://ylist.info (2016年7月24日)
*2 日本生態学会編(2002)外来種ハンドブック
*3 清水建美編(2003)日本の帰化植物
*4 豊田武司(2014)小笠原諸島固有植物ガイド
*5 榎本 敬(1993)小笠原諸島、父島・母島の雑草と帰化植物, 小笠原研究年報16
*6 長島忠義・和田美保(2009.3.19)小笠原植物誌
    http://www.ogasawara-syokubutusi.com/index.htm
*7 環境省自然環境局南関東地区自然保護事務所(2005)参考資料生物種リスト 平成16年度小笠原地域自然再生推進計画調査(その1)業務報告書
Tanpopo20160410_2
写真4はセイヨウタンポポ Taraxacum officinale 清瀬 2016

※ 学名の表示は属,種小名までとしているが、日本に初めに導入されたものは何か、日本各地に広がっているのは何かで混乱しているようであり、二つだけ表記した。

Tanpopo20160421_4
写真5はセイヨウタンポポ Taraxacum officinale 大神山公園・小学校前 2016

Tanpopo20160424
写真6はセイヨウタンポポ Taraxacum officinale VERA 2016

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ヨウシュコバンノキ

ヨウシュコバンノキ Breynia disticha コミカンソウ科←トウダイグサ科*

Kobanso001                 写真上  野生化ヨウシュコバンノキ(父島) Breynia disticha

別表記;セイヨウコバンノキ Breynia nivosa*2,
           デスティカ・ロセオピクタ Breynia disticha cv. Roseopicta*3
           フィランサス・アトロパルペリウス Phyllanthus atropurpurea 西洋コバンモチ ヒランサス*4
小笠原方言;コバンソウ
・常緑低木木本1-3mH、日当たりを好み乾燥に強い。
・原産地 園芸品種*
・導入 1913(大正2)年*4。
・導入目的 鑑賞用。
・栽培 父島、母島。住宅の生垣として利用されている。
・野生化 種子繁殖し樹下に実生がみられ、栽培放棄の群れが野生化している。
・侵略性 実生は樹下に限られるようだが要観察種。

Kobanso01                 写真中  同ヨウシュコバンノキ(父島) Breynia disticha 樹下

※ 本種の学名、和名の変遷があり、又小笠原諸島にあるのは何かで混乱している。
 セイヨウコバンノキ(Breynia nivosa Small f. Roseopicta)母島稀,
 オオシマコバンノキ(Breynia rhamoides)父島導入*5
と2種あるとされる。東大、首都大のインターネット海洋島データベースを利用できない状態が続いており標本が確認できない。目に付く範囲では1種と思われる。

Kobanso02                 写真下 同ヨウシュコバンノキ(父島) Breynia disticha 実生
* 大場秀章編著(2009)植物分類表
*2 米倉浩司・梶田忠(2003-)BG Plants 和名-学名インデックス(YList)
  http://ylist.info (2016年4月19日)
*3 八丈島園芸植物図書編集委員会(2003)八丈島の園芸植物
*4 川手文(1911-15)小笠原陸産物誌植物編,東京都公文書館蔵
*5  Sumiko KOBAYASHI and Mikio ONO(1987)A Revised List of the Vascular Plants and Introduced to the Bonin(Ogasawara) and the Volcano(Kazan) Islands OGASAWARA RESEARCH 13 TOKYO METRPOLITAN UNIVERSITY

※ 学名の表示は属,種小名まで。

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モクセンナ

モクセンナ  Senna surattensis マメ科*
別表記;Cassia surattensis* スラッテンシス*2, キダチセンナ*3, スクランブルエッグ*4
Mokusennaohmura写真上 モクセンナ花 Senna surattensis

低木木本、日当たりを好み乾燥に強い。黄色い花がまとまって咲くので、英名 scrambled eggs tree*5 がある。
・原産地 東南アジア*6,インド*2を加えるのもある。
・導入 小笠原諸島返還後(1968~)の最近と思われる。1999年導入の記録がある*7。
・導入目的 鑑賞用。
・栽培 父島、母島*8
・野生化 父島市街地に植栽されているが、一部野生化しているようである。
・侵略性 沖縄では野生化*6しており、要注意種である。

Mokusennaohmura2                                       写真中 同花・葉 Senna surattensis

*  米倉浩司・梶田忠(2003-)BG Plants 和名-学名インデックス(YList)
  http://ylist.info (2016年1月16日)
*2 坂崎信之編著(2003)日本で育つ熱帯花木植栽事典2刷
*3 八丈島園芸植物図書編集委員会(2003)八丈島の園芸植物
*4 武田和男(1998)魅力の花園ハワイの花300種ガイド
*5 エヌ・ティ・ティレゾナント(株) みんなの花図鑑
 http://minhana.net/ (2016年1月16日)
*6 初島住彦(1990)琉球植物誌(追加訂正版)訂正増刷
*7 東京都小笠原営農研修所(2001)植物目録
*8 豊田武司(2014)小笠原諸島固有植物ガイド
※ 学名の表示は属,種小名まで。
Mokusennaohmura3                                     写真下 同莢 Senna surattensis

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キバナハギ

キバナハギ Crotalaria pallida マメ科*
別表記;Crotalaria mucronata オオミツバタヌキマメ*2, Crotalaria Saltiana*3

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写真1 キバナハギCrotalaria pallidaの葉

1年生ときに多年生*4とあるが、母島では多年生。日当たりのよい場所で小群落をつくり、開花時に黄色い花が目立つ。
・原産地 熱帯アフリカ起源らしいが*,熱帯アジア原産*4ともある。熱帯亜熱帯に分布*4。
・導入 硫黄島で1934年津山尚先生が採集*3,翌1935年小笠原諸島で採集*5も硫黄島の可能性が高い。
・導入目的 硫黄島に「薬用。茶園の緑肥。繊維から網索、粗糸」*6目的か不明。母島は鑑賞用か。

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写真2 同Crotalaria pallida花穂

・野生化 太平洋戦争以前(~1941)に硫黄島では栽培逸出していたと思われる。小笠原諸島返還後(1968~)母島で野生化した状態で長浜で採集されている*7が、太平洋戦争以前に導入栽培されていたと考えられる。

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写真3 同Crotalaria pallida
・侵略性 生育場所は限定されていたが、そこが長浜トンネルの南口になり、調査・本体工事・改修などにより北口にも拡散された。又、近年道路端草刈が頻繁になり拡散されてるようにみえた。2015年、長浜トンネル付近は見当たらず、北に離れた東港に面した箇所に小群落が見つかり駆除された。工事残土などに紛れ込んだと思われる。埋土種子による再生も考えられ要注意である。硫黄島の状況は不明。

* 清水建美編(2003)日本の帰化植物
*2 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名?学名インデックス」(YList),
http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html(2015年7月1日)
*3 東京大学総合研究博物館(2011)海洋島植物標本データベース
http://umdb.um.u-tokyo.ac.jp/fmi/xsl/DShokubu/spm/top.xsl (20151025)
*4 竹松哲夫・一前宣正(1993)世界の雑草2-離弁花類-
*5 奥山春季編(1977)平凡社版寺崎日本植物図譜
*6 熱帯植物研究会(1984)熱帯植物要覧,大日本山林会
*7  Sumiko KOBAYASHI and Mikio ONO(1987)A Revised List of the Vascular Plants and Introduced to the Bonin(Ogasawara) and the Volcano(Kazan) Islands, OGASAWARA RESEARCH 13, TOKYO METRPOLITAN UNIVERSITY
※ 学名の表示は属,種小名まで。

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